KiCadやBlenderなどのRTX 2070とオンボのIntel UHD 630のパフォーマンス比較
レンダリング時にグラボとオンボードとの違いを見てみたいと思います。
ただ、実際にLinuxでfps計測するツールが見当たらなかったので、感覚でお伝えしたいと思います。
結論から言うと、KiCadは基本オンボードグラフィックで十分だがレイヤーが多い基板で解像度を上げたりアンチエイリアシングの設定によってはグラボが必要だがレイヤーを非表示にしたりすることで不要にもなる。
Blenderはポリゴン数によってはビューポートパフォーマンス向上でグラボが有効になる。といった感じです。正直、グラボなくても一通り動くしなんとかなるけどあるとちょっと便利になる程度です。
KiCad 5.1.4のpcbnew
まぁ、人によるという感じだと思いますが、レイヤーが多くなりレイヤーを増やすと結構オンボードだとしんどいです。
アンチエイリアシングの設定は、なし,サブピクセル High, Ultra, 2x SSSA, 4x SSAAの順に重くなりますが、綺麗になります。綺麗になるだけではなくピクセル以下までレンダリングされるため得られる情報量も増えます。SAAは特に解像度を上げたのと同様の負荷がかかるので、FHDディスプレイの2x SSAAは4kディスプレイのアンチエイリアスなしに近い負荷がかかります。
オンボードグラフィックのとき
FHD~1440pの場合はレイヤーが少なめで簡単な設計なら2x のSSAAまでならオンボードグラフィックでもなんとかなりそうですが、複雑な設計ではレイヤーを非表示にしないと重くなります。アンチエイリアシングを切るかレイヤを非表示にしたり解像度を下げる必要がありそうです。
4kでもアンチエイリアシングの設定を下げればオンボードグラフィックでも快適に設計できることもありますが、一概に全てとは言えませんが、大規模設計するならグラボがあったほうがいいかもと思いました。
オープンハードウェアで公開されていた10層基板でみてみました。◎はパフォーマンスの低下は見られないことを示してて、○は使用できるかなぁといった感じ、△は、表示項目を絞れば使えそうで×は使えそうにない感じです。
解像度 | なし | サブピクセルアンチエイリアシング | SSAA | ||
High | Ultra | 2x | 4x | ||
FHD | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | △ |
1440p | ○ | ○ | ○ | △ | × |
4k | △ | △ | △ | × |
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特にベタの表示がかなり重い印象を受けました。ベタを切ったりレイヤーを非表示にするだけでかなり軽くなります。まぁ、いずれにせよ10層基板でもアンチエイリアシングを切れば綺麗に見えるという結論になりました。
見るときは、普通の有機ELなどではなく液晶ディスプレイで等倍で見ることをおすすめします。少し解説すると、アンチエイリアシングを切れば当然かなりギザギザしてます。SSAAの4倍は一番キレイにエッジがぼかされてます。少しぼやけた見た目ですが、高品質です。サブピクセルのアンチエイリアスは横方向にRGBに並んだサブピクセルの輝度を変化させますが、横方向のみエイリアシングが目立たなくなります。斜め線でも結構綺麗になります。1pxのラインにはアンチエイリアシングがかからないようです。
グラボ使ったとき
最高のアンチエイリアシング設定でもかなり動きました。パフォーマンスはかなり向上します。
Blender
blenderは、ポリゴン数に応じて負荷が重くなります。ハイポリゴンな球を設置してビューポートのパフォーマンスを見てみました。オンボードグラフィックのときは〜2M個の三角形までは快適、5M個があるオブジェクトの描画でガクガクになります。グラボがあると、その数倍はあっても行けるかなといった感じです。(あくまでも体感的ですが)
これもモニターの大きさやオブジェクトの映り方見え方によってかなりの差があると思うので一概には言えませんが、大規模なシーンを作りたいならあったほうがいいともいます。
ちなみにレンダリングはCPUのみより30倍位速くなりました。これもシーン依存ですが、グラボはあったほうがいいという結果になりました。
まとめ
グラボはあったほうがいいですが、オブジェクトの非表示やレイヤの切り替えをきちんと行って設定を落として負荷を減らせばなくてもなんとかなりそうです。
ただ、そうは言ってもグラボあったほうが快適なので、これらの作業をガチでやりたい人はグラボ付きのPCのほうがいいと思います。
今の世代のオンボードグラフィックって進化してるんですね。昔のラップトップ向けオンボードグラフィックってかなりガタガタだったのですが、今のものは統合型グラフィックでも良かったかもと思いました。Intel とAMDが競争してくれたおかげですね。